Novels

先祖返りの町作り ~無限の寿命と新文明~

第241話 地方公務員

 とりあえずの体勢たいせいを整ととのえた私は、次に地方の官僚かんりょう組織そしきの整せい備びに着手ちゃくしゅしていた。

 本当の意味での民主みんしゅ主義しゅぎ国家こっかを作ろうとすれば、今のような有力者ゆうりょくしゃによる合議制ごうぎせいを続けていては、かなり都合つごうが悪い展開てんかいになりかねない。

 それでは、一部の学のあるものだけが政治せいじ参加さんかするようになり、それらの人々が、やがて貴族化きぞくかしていく可能性かのうせいを否定ひていできないからだ。

 そのため、早急そうきゅうにきちんとした公務員こうむいん制度せいどを作り、地方ちほう行政ぎょうせいを担になってもらおうと考えている。

 もちろん、各地に初等しょとう学校がっこうも設立せつりつしていき、広く学問がくもんを奨励しょうれいするつもりであるのだが、今はそこまで手が回らない。

(焦あせっても仕方しかたがありませんね。一歩ずつでも着実ちゃくじつに進めていきましょう)

 任命にんめいしたばかりの閣僚かくりょうたちを集め、第一回の閣僚かくりょう会議かいぎを招集しょうしゅうした私は、すぐにそこで深刻しんこくな問題もんだいに気づくことになる。

「圧倒的あっとうてきに人材じんざいが足たりませんね……」

 現状げんじょうでも、ガイン自由都市の官僚かんりょう組織そしきから人材じんざいを引き抜ぬきすぎている。これ以上となると、都市とし運営うんえいに支障ししょうが出てくるレベルだ。

 そのため、この上にさらに地方ちほうに回せる人材じんざいを引き抜ぬくことは、断だんじて認みとめられない。

 さて、どうするかと悩なやんでいると、法務ほうむ大臣だいじんのバルトさんから妙案みょうあんが提てい示じされる。

「広く一般ぱん募集ぼしゅうをすればいいのではないでしょうか? とりあえず必要ひつようなのは、税金ぜいきんの管理かんりやコセキ調査ちょうさの下準備したじゅんびでしょう? この都市のものであれば、基礎的きそてきな学力がくりょくに不足ふそくはありません。それに、地方ちほうからこの都市へと逃にげてきたものも多いはずです。故郷こきょうでの仕事しごとを用意よういすると言えば、応募おうぼするものもそれなりにいるはずです」

 私はその意見いけんに深く納得なっとくし、早速さっそく、募集ぼしゅう要項ようこうなどの細部さいぶの詰つめの作業さぎょうに入った。

 この手法しゅほうを応用おうようすれば、現在げんざいは棚上たなあげになっている初等しょとう学校がっこうの先生も、問題もんだいなく集めることができるようになるはずだ。

 ただ、何の準備じゅんびもなしにいきなり送おくり込こむわけにもいかないため、ある程度ていどの研修けんしゅう期間きかんを設もうけることも合わせて決定した。


 これは少し先の話になる。

 ここで採用さいようされた地方ちほう公務員こうむいんたちの多くが、各地で奮起ふんきして活躍かつやくしてくれるようになる。

 みんな故郷こきょうへ錦にしきを飾かざる心意気こころいきなのだろう。これからの故郷こきょうをより良くしていこうとの気概きがいに満みち溢あふれたものたちばかりだったのだ。

 そのため、彼らは後に設置せっちされていく県庁けんちょうの職員しょくいんたちの中でも重要じゅうようなポストを占しめるようになり、地方ちほうの官僚かんりょう組織そしきを作り上げていく原動力げんどうりょくとなるのであった。