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先祖返りの町作り ~無限の寿命と新文明~

第148話 フィーナとティータ

 それから、またしばらくの時が過ぎ去り、リョウマが三歳をむかえたころ

 シゲルはすでに五十八歳になっており、そろそろ引退いんたいを考えているらしい。

 ただ、もう少しリョウマが大きくなるまではと、まだ頑張がんばっているのだと本人から聞かされていた。

 そんなおり、ミリアさんが産気さんけづいていた。

 今回もとても安産あんざんだったようで、生まれた女の子は、銀髪に緑のひとみという、どこかリズに似た雰囲気ふんいきのある赤子あかごだ。

 後にフィーナと名付けられたこの子は、リズとはちがい、元気な泣き声を上げる少し活発かっぱつそうに見える赤ちゃんだ。

 少しにぎやかになったガイン家を祝福しゅくふくするように、それから間もなくして、リズも産気さんけづいた。

 リズにとっては初産ういざんということもあり、旦那だんなさんのダラスさんはとても心配していたようだが、こちらもおどろくほどすんなりと出産しゅっさんを終えていた。

 生まれた子供は女の子で、こちらも銀髪に緑のひとみという、フィーナにとても良く似た雰囲気ふんいきの赤ちゃんだ。

 後にティータと名付けられた赤子あかごは、フィーナと並んでいると、従姉妹いとこというよりは双子ふたごの姉妹と言っていいほどとても良く似た二人である。

 実際じっさい、この二人はとても仲良く成長してゆき、従姉妹いとこであると同時に親友として、ずっと一緒いっしょに育っていくことになる。

 また、祭司長の魔石を使ったペンダントは、直系の子孫しそんにだけ与えられる慣例かんれいであったのだが、ティータにそれがないのは可哀かわいそうだとフィーナに強くお願いされたため、祭司長にお願いして魔石を用意してもらい、あらたなペンダントを作って渡すことになる。

 成長した二人は仲良くそろって祭司長をたずねることになるのだが、それはまた、後の話とする。