先祖返りの町作り ~無限の寿命と新文明~
第201話 真面目な激甘空間
そそくさとクリスさんの元を訪れた私は、早速、彼女に魔力の充填のお願いを始めた。
「ヒデオ様のお願いでしたら、里のみんなは誰も異を唱えないと思いますよ?」
このように、あっさりと了承してくれた。
「では、対価は主に鉄製品でいいでしょうか? もちろん、それ以外も、希望があれば取り寄せるようにさせますので」
「別に、対価など用意していただかなくても、みんなやってくれると思いますよ?」
私はゆっくりと頭を振り、それは良くないことだと指摘する。
「いえ、それはいけません。里のみんなは善良ですが、ヒム族は欲深いですからね。対価ももらわずに仕事をしてしまうと、あっという間に付け込まれますよ?」
クリスさんは、そんなものですかと納得してくれたようだ。
ちなみに、ごく真面目な会話をしているのだが、この間ずっと、私たちはぴったりとくっついている。
クリスさんの頭は、ずっと私の肩に置かれたままだ。
島の里のみんなは、またいつものようにイチャコラしていると思っているようで、みんな一様に、仕方のない人たちですねと、生暖かく見守ってくれている。
「そういえば、ヒデオ様。以前にプレゼントしていただいた、魔力ジドウシャはありがとうございました」
クリスさんは既に運転免許をきちんと取得しており、その合格祝いにと、私は一般的な魔力ジドウシャを送っていた。
「気に入ってもらえたのであれば、私も嬉しいですよ?」
私がそう言うと、クリスさんはモジモジとしながら、おねだりを開始する。
「あの……、あれは、とても高価なものだとは理解しているのです。で、ですが、私は、その、もっとスピードを出したいと、言いますか……」
クリスさんはしばらく視線を彷徨わせていたのだが、やがて意を決したようで、私におねだりをする。
「できれば、ヒデオ様と同じ魔力ジドウシャが、私も欲しいのです!」
両手を握り拳の形にして、ふんすーっと、鼻息も荒く宣言している。
「かっ……」
「か?」
「可愛い……」
その仕草がとても愛らしくて、私は思わず、そのように呟いてしまっていた。
そうすると、彼女は頬を染めて、俯いてしまった。
なんだか、もう、いろいろと我慢ができなくなってしまい、思わず彼女を強く抱きしめる。
「ヒ、ヒデオ様?」
「分かりました。そのような可愛らしい姿でおねだりされてしまっては、私に拒否することなど不可能です」
私はそのように宣言し、次回の訪問時に、特別仕様の魔力ジドウシャをプレゼントすることを決定した。
ただ、これには私にとっての利点もあったことが、後に判明する。
クリスさんは、以前よりも簡単にガイン自由都市まで旅行できるようになったため、これまで以上の頻度で、私を訪ねて来てくれるようになったのであった。